大友克洋GENGA展に行ってきました

AKIRAで有名な大友克洋の原画展に行ってきました。

大友克洋GENGA展

この原画展は東関東大震災の復興支援で開催されているもので、売上金の一部がチャリティとして福島などのNPO法人に寄付されることになっています。
展示の内容は大友克洋のイラストおよびマンガ原稿です。一部、セル画なども含まれています。
大友克洋GENGA展

イラストとAKIRAなどの原画が展示されているのですが、狭いスペースにガッツリ展示してあるので、一点一点きちんとチェックしようとすると牛歩に成らざるを得ない状態です!
ちなみにAKIRAの原稿は展示のしかたがラック式の陳列ケースに入っているので見にくいです。
狭いスペースでの展示なのでしかたないのでしょうが、AKIRAの原画チェックしたい人はちょっとかわいそうw
大友克洋GENGA展

実はわたしはあんまり大友克洋が好きではないのです。
ではなんでわたしが展示を見に行ったのか?
それは、印刷物や映画などでは伝わってこない大友克洋の魅力が、リアルをみれば確認できるのでは? と思ったからです。
井上武彦の最後のマンガ展で見た原稿が、おそろしいほどに輝いていた、そんな感動が味わえたらよいかな、と。
井上雄彦・最後のマンガ展

で、実際見たところ、たしかにすごい才能だということはすぐにわかりました。
構図の見せ方なんかは抜群です。
ディテールを積みあげることで密度のある絵作りをする人ならではのセンスはさすがとしかいいようがない。
イラストレーターらしく、絵を印象的に演出する心得もすばらしく、モブのなかに異質なものを混ぜることでメッセージをクリアに打ち出す才能もさすが。
カラーなどでは洋服などのテクスチャの表現力も驚くほど精密。AKIRAの革のジャケットとかをまじまじみると、写真を見ているような感じさえ受けます。
そして、なにより大友克洋には独自の世界観がありますね。
この独自の世界観はオンリーワンとしかいいようがありません。
あの世界観を他の人が再現することは不可能でしょうから、そういう意味では芸術的とさえ言える部分があると思います。
大友克洋GENGA展

とはいえ、いろんな意味で才能があることはわかりながらも、「な〜んだかやっぱり好きになれない……」という気持ちは変わりませんでした。
なんか、全体的に原稿から発せられるキラキラとした魅力がないんです。
作品を見ながらずっとその理由を考えていて気づいたのは、大友克洋の描く人物は「華がない」こと。
とくに女性キャラクターに必要な「艶」みたいなものが一切ない。
AKIRAも地味すぎて明らかに主人公っぽくないデザインですが、大友克洋の描く女子がほとんど男子と同じ顔だというのは、さすがにいかがなものか、とw
ほとんどの作品で人物をモチーフに取り入れているのに人物に魅力がないという点が、たぶんわたしの中での評価が低くなってしまう理由なのだと思い至りました。

★やっぱ主人公はカッコよくないと!★

というわけで、ある意味行った甲斐はありました!
イラストとかコミックに関して自分の中の理想と違う方向からのアプローチをする作家さんではないということがわかって、超納得です。
AKIRA 2もこれから始まりますから、大友克洋が好きな方も嫌いな方も、ぜひ一度足を運んでみるとおもしろいかと思います。
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大友克洋ファンなら必携★